生徒を信じる。~関東中学でのエピソード~
こんにちは、清明学園中学の高橋です。
2週間も配信が遅れまして、大変申し訳ありませんでした。
全中~石川県で行われた北信越ステップと1週間以上、石川県でお世話になっていました。
今回は、先日行われた関東中学校大会のエピソードをご紹介します。
生徒・指導者が共に歩み、一年間の成果の結集が発表される場でした。
そこで、私は「 生徒を信じること 」の大切さを、身をもって感じることができましたので、紹介します。参考になれば幸いです。●エースペアが・・・
エースペアーの生徒が関東大会個人戦で敗退しました。
決定戦で惜敗。すぐに行われた敗者戦でも追いつかれてファイナルで完敗しました。なんとか声をかけつつ、反省することよりも翌日の団体に向けて気持ちを切り返ることに徹しました。
エースペアーの生徒が関東大会個人戦で敗退しました。
決定戦で惜敗。すぐに行われた敗者戦でも追いつかれてファイナルで完敗しました。なんとか声をかけつつ、反省することよりも翌日の団体に向けて気持ちを切り返ることに徹しました。
しかし、それほど、簡単にはいきませんでした。翌朝も個人戦敗戦を引きずった表情で、朝練が始まりました。
団体戦初戦。1番が勝ち、いよいよエースペアーの出番です。東京都個人優勝しているペアーなので力はあります。しっかりと勝って2回戦以降に弾みがつく試合をしてくれるかという予想は全く甘かったです。凡ミスのオンパレードで、心ここにあらずでした。それでも、なんとか勝ちあがった後のことです。表情は暗く、応援団の声にも反応もせずにベンチに座りました。私はじっと見守りました。
●「先生、もっと叱咤激励してください!」
●「先生、もっと叱咤激励してください!」
初戦が終了して、対戦相手が先に決まっていたために、2回戦まで与えられた休憩時間はたった5分しかありません。
その時に、そのペアーの保護者が寄ってきました。今にも泣きそうな声で私に訴えかけられました。
「 先生!! もっと叱咤激励してください! 先生は優しすぎます。彼らは、叱咤激励されないとダメなんです!! 」
確かに、彼らの試合態度は、決して褒められるものではなく、ベンチに入ることすらできない仲間の気持ちを背負ってはいませんでした。
保護者には、このように答えました。
「 今の彼らに叱咤激励をしても、逆効果です。こちらに任せて下さい! 」
●「良い顔をしてプレーを。それだけ」
たった5分しかありません。本来ならば、もっと休息させたり、生徒とオーダーを考えたりする時間でしたが、8人だけを呼んで、落ち着いてこのような話をしました。
「 今までエースペアーの彼らは、いろいろなものを背負って戦ってきた。彼らが常に勝ち続けてきたからこそ、今、この場に立てている。だからこそ、この二人以外のメンバーが、彼らに頼ることなくベストを尽くそう。エース抜きにしても勝とう。 」
そしてエースペアーには、
「 勝てなくていいから、今までお世話になって人の顔を思い出して、暑い中、応援にきてくれている人、メンバーに入ることができなくて悔しい思いをしている同級生に対して、良い顔をしてプレーしてほしい。これだけ勝ちを目指して頑張ってきたけど、今、先生が望むことはそれだけだ。この苦しい状況のなか、逃げ出さずに最後に成長した姿を見せてほしい。 」
と伝えて二人の肩を抱き寄せました。
●エースペアの活躍
二回戦が始まります。そのエースペアーは、乱打から顔が違っていました。明るく・前向きにやってやるぞというムード満開です。普段、そこまで声を出すことがない二人が1ポイント目、声を出して入りました。感動しました。涙が出ました。
そして、相手ペアーも強豪です。マッチを跳ね返して逆転勝利を収めました。結局、彼らはこのあと、全国の2回戦まで負けなしでチームを引っ張る活躍をしてくれました。
関東直後に、千葉の中坂先生から電話をもらいました。
( 松戸五中で全中個人優勝されている先生です )
( 松戸五中で全中個人優勝されている先生です )
中坂先生は、本校のエースペアーの個人戦、そして団体戦の初戦までを見てもらっていました。電話の内容は、
「 あのような個人戦の負け方をして、気持ちを切り返るのは中学生にとっては、とても難しい。そして、団体戦初戦でも切り替わっていなかったのに・・・。何が彼らを変えたのですか? 」
というよう質問をもらいました。
中坂先生から電話をもらい、しみじみ、あの時に彼らには叱咤激励せずに諭すことを選び、信じてよかったと、心から思いました。
●たくさんの失敗から・・・
もちろん一年間、厳しく指導されていれば、あの場面での叱咤激励はあり得ました。しかし、なぜか?笑 本校の生徒は、心優しい?・勝負に向いていない?生徒が多いです。勝負に逃げたくなる生徒が多いです。そのような生徒は、過去にもたくさんいて、私自身、たくさんの指導の失敗をしてきました。
●たくさんの失敗から・・・
もちろん一年間、厳しく指導されていれば、あの場面での叱咤激励はあり得ました。しかし、なぜか?笑 本校の生徒は、心優しい?・勝負に向いていない?生徒が多いです。勝負に逃げたくなる生徒が多いです。そのような生徒は、過去にもたくさんいて、私自身、たくさんの指導の失敗をしてきました。
改めて、生徒を信じることの大切さ、信じるために一年間、雨の日も暑い日も寒い日も風が強い日も生徒と向き合っていくことの必要性を感じました。彼らから大切なことを学んだ夏でした。
参考になれば幸いです。また読者の方から質問をもらっていますので次回、お答えしたいと思います。
では!
【編集部より】
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