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(その2)大事な大会の前日に話すこと

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こんにちは、清明学園中学の高橋です。

今回は、「大事な試合の前日に何を話すか」の2回目(前回の続き)です。


生徒との個別ミーティングのテーマとして以下の6点をあげました。
  
ストロングポイントの確認
試合での失点パターンをどのように回避するかの確認
これまでどこをどのように頑張ってきたかの確認
サービス・レシーブからの攻撃の確認
進路の話
どのような挫折・失敗・敗戦を乗り越えてきたかの話



④ サービス・レシーブからの攻撃の確認
  こちらも前回と同じですが、後半の勝負どころでレシーブをどこに打つかを決めている生徒もいますし、1ゲームの1ポイント目から仕掛けたい生徒もいます。ファイナル5-5でどこに打つのかという話をしたりする生徒もいます。試合の流れもあり、相手の特徴も関係してくるのですべてを詰めることができませんが、その部分の話の確認をします。
 サービスもエースを取れる生徒もいれば、まだまだ非力で確率重視の生徒もいます。自分がどのようなサービスを打って3球目の攻撃、あるいは守備に繋げるのかということを再確認します。
 こちらに関しては、年間通してとても大切にしていることなので、生徒によってしっかりと当たり前のように浸透しているものもいます。その生徒にはわざわざ時間を割いて話をしません。
 ただ、サービスもレシーブもどれだけ練習しても本番では何が起こるかわからないので、入らくなったときに、どのように対応するかを生徒の口から話をさせます。


⑤ 進路の話
  こちらは最後のミーティングでなぜ??と思われるかもしれません。清明学園に入学してくる生徒・保護者にとって受験というものはとても大きなものです。また、この時期は同級生が8泊9日の勉強合宿にも行っています。彼らは2泊しか参加できません。全中前合宿でも、少しでも勉強の時間を確保しましたが、それでも同級生が勉強していることに対して焦りを感じている3年生もいます。なので、彼らに進路をどのように考えているかを話させて、それに向けて、どのようなに向かって行くかのアドバイスや過去の先輩の話をしたりもしました。彼らがどのような進路先を伝えてきても絶対に否定することなく、目標に向かって進むことの大切さを伝えました。


⑥ どのような挫折・失敗・敗戦を乗り越えてきたかの話
 こちらは、実際の話を紹介します。
 さかのぼること、1年前の話です。今回、全中優勝を果たした杉戸中相手に夏の研修大会で、清明学園の現レギュラー選手は完敗しました。当時は2年生でした。私からすると、ジュニア出身ではない彼は、まだまだこれからの選手。大きく構えていましたが、自分の敗退でチームが負けたので、よほど悔しかったのでしょう。テニスノートや目標や課題を書かせると毎回杉戸中を倒して全国で勝負をするという言葉が並びました。そして、この関東大会で杉戸のエース相手に彼がファイナルまで追い詰めました。そこに至るまでに地道な練習を重ねてきました。
 その敗戦を乗り越えて、いよいよ全国大会前夜です。
 再度確認しました。

 「 あの一年前の敗戦によって成長してきたね。そして関東では、その杉戸中をあと一歩まで追い詰めることができた。明日、もう一度チャンスが来る。杉戸と対戦できるのは決勝戦。日本一をかけてその舞台に立てるように、自分に厳しく向きあおう。 」
と話をしました。
 
  彼は、全中団体戦のみの出場で下が、その杉戸中と対戦したいという想いをもってコートに立って、団体戦2回戦から、二戦連続勝利を収めることができました。決勝の舞台に行き、杉戸と再戦することはできませんでしたが、その強い想いを表現できました。とてもいい顔をしてコートで躍動していました。ミーティングで詰めたことです。


最後に一人一人、ポイントを絞ってまとめた手紙を前夜寝る直前に渡しました。

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埼玉の指導者の方、ご質問ありがとうございました。次週になりました。よろしくおねがいします。




では!


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●参考情報:

清明学園・高橋先生に関する記事:

 ●ソフオン編集長が高橋茂先生の指導方法の根幹に迫るインタビュー

[ 高橋 茂 監督 プロフィール ] 
 清明学園中学校 ソフトテニス部顧問 
 全日本アンダー17男子コーチ 

[ 清明学園中学 近年の戦績 ]
 (平成26年度) 全国中学校大会 男子個人戦優勝、男子団体戦出場 
 関東中学校大会 男子個人戦優勝・ベスト16、男子団体戦優勝 
 第2回国際ジュニア大会 男子シングルス優勝 
 過去5年間では全国出場3回、都道府県対抗10年連続出場、東京都大会・個人の優勝は10回以上 
 
 
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