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#【NTT堀より】上達する練習とは ~その⑥~


みなさんこんにちは。NTT西日本の堀です。

前回は「ゲームライクプラクティス(実戦に即した練習)」をご紹介しました。
短時間の練習を数多く行うことでゲーム内のめまぐるしい戦況変化・状況変化に対応する力を養うという目的でした。
これは平尾誠二さんの著者から学んだことではありますが、元々はとあるNBAバスケットボールチームで行われていた練習方法です。

もうひとつ、私のゲームライクプラクティスの解釈として、実戦により近い形で練習をするということを大切にしています。つまり、“実戦こそ基本”ということです。

皆さんは基本練習というと何を思い浮かべるでしょうか?
素振り、乱打、1本打ち、3本打ち、4コースボレー・・・
私はそれらの、長年「基本練習」と言われ、どの学校も当たり前に行われてきた練習を“基本”であるとは思いません。

それは“基礎”であり、“基本”とは“ゲームライク”でなくてはならないと考えています。

日本人は元々『型』を大事にする傾向があります。美しいフォームにこしたことはないのですが、柔道や剣道など日本人の心の根底には武道があります。

体操などでも美しい体操と言われたり、柔道でも美しい一本柔道!等々よく聞くと思います。
日本人は何かにつけて“○○道”と言ったり、武士道には守破離という言葉もあるように、まず先に師匠に徹底して型を教え込まれ、自分の体に刷り込まれるまで頑張ります(守)。

しかし、スポーツはというと、元々disport(楽しむ、遊ぶ、気晴らし)」が語源であるとされ(諸説あります)、まずはゲームを楽しむこと遊ぶことがスタートでフォームや美しさというのはその次です。

相撲道では白鵬「型にこだわるが、型にとらわれない」と言い、先の先でなく後の先をいく大横綱であることは誰も異論はないでしょう。型ではなく、柔軟性こそが勝負では必須と言っています。

以前ブログで紹介した、ソフトテニス最強国である韓国と日本の違いについて、日本選手は“どう打つか”を考えている。韓国選手は“どう勝つか”を考えている。という部分にも関係してくると思います。

韓国選手の中には「どうやったらそんなフォームになるの⁉」というような選手も平気で剛球を打ってきます。野球で言えば、日本は均整とれたフォームの選手が多いのに対し、大リーグではとんでもないフォームの選手が多いです。

話がだ~いぶそれてしまいましたが、指導していく中で、まず“フォームありき”という考え方は私はさほど重要だとは思いません。

実業団チームの若造監督が何言ってんだ!と、大バッシングを受けそうですが、ナショナルチームのトップ選手でも小さい頃あまり細かく教えてもらわなかった選手の方が圧倒的に多いと思います。

よく考えてみてください。
整えられたボールを整えられたフォームでノーストレスでコートに打ち込む練習を何時間やっても、実際の試合はボールがどこに来るか分からず、自分の好きな展開に必ずしも進んでいかないということです。

NTTでは練習の中で、まず「サーブ・レシーブ練習」をなくしました。片方がサーブを打ち、レシーブを返してラリーする練習です。
次に「4コースボレー」「後衛の3本打ち、5本打ち」というド定番の練習もなくしました。
そして最近は前回のブログで述べたように「乱打」を3分に短縮。

これらはかなり勇気がいりました。
なぜなら、選手みんなが小さな頃から『基本』といわれ必ず行ってきた練習をことごとくなくしていったからです。

だからといって、全くやらなくなったわけではありません。たま~にやりますよ。

練習は、出来ることと出来ないことの融合基礎と実戦の融合科学と非科学の融合古き良きものと新しいエッセンスの融合であるからです。


不安そうな選手には「物足りなければ空いた時間や自主練でやってくれ。その自主性が“根性”につながるから」と言っています。

みんなが「常識」と思っていた練習を削減してからの方が不思議と結果も良くなってきました。

またまた長くなってしまいました。
次回に続きます‼
最後に出た“根性”についても話さなければいけません・・・

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