ソフトテニスのポータルサイト「ソフトテニス・オンライン」
ソフトテニスを楽しくするBlog

細かく1点を取る!という発想~中津川監督・独占インタビュー(2/2)

19eadacc-s (1)


ソフオン編集部・ふくじーにょです。
前回に続き、東北高校・中津川監督にお話を伺います。今回は勝利を左右する「ネット際の攻防」について、そのこだわりの一端を紹介してもらいました。

●45分に区切る“中津川流”練習スタイル
●10年前にはなかった「ネット際の攻防」の必要性
●形だけの基本ではなく、より実践に近い練習と感覚を磨く練習が求められている

[中津川澄男 監督 プロフィール ] 
 ナショナルチームU-20男子監督 


<関連記事>
(1/2)なぜ東北高校は生徒の”センス”を伸ばせるのか~中津川監督・独占インタビュー
http://st-on.blog.jp/archives/52230633.html



---引き続きよろしくお願いします。今回は新作DVDのテーマにもなっている「ネット際の攻防」について教えてください。
細かく1点をとる!!こだわりの練習パターン ~ 東北高校にみるソフトテニス勝負の分岐点 ~【全1巻】細かく1点をとる!!こだわりの練習パターン ~ 東北高校にみるソフトテニス勝負の分岐点 ~【全1巻】
<画像:DVDより>

中津川:はいわかりました、よろしくお願いします。

---ネット際という、かなり特化された内容です。あまりこうした練習を本格的に行っているのを見たことがありませんが、最近ではスタンダードになってきているのでしょうか?

中津川:そうですよね、私もあまり見たことがありません(笑)。ここまで細かく行っているのはウチくらいじゃないでしょうか。でもこれをやるようになって、明らかに結果が変わってきています。

---そもそもなぜこのような発想になったのでしょうか。

中津川:そうですね、まずは戦術の変化が要因でしょうね。10年前にはなかった発想です。ジュニア世代でも最近ではフォーメーションが多様化したり、カットサーブを打ったりしてくるようになりました。すると従来のように気持ちよくボールを打つばかりでは対応できなくなる。
さらに、道具の進化も要因のひとつだと思いますが、従来のオーソドックスな展開だけでなくネット際での攻防が多く見られるようになりました。この状況を考えたとき、「あれ、この部分の練習ってやってないな」と思って。そこからですね、力を入れるようになったのは。

---なるほど。試合を通して肌で感じてきたからこそ生まれた発想ということなんですね。

中津川:そういうことです。練習は試合で足りなかったところを補うという考え方でやっています。試合をよく観察すると、ネット際の攻防を有利に進めている選手が勝っていることに気がついたんです。これはやらなきゃ損だと思いました。

---やはり指導者も勉強していかなくてはいけませんね。
 
中津川:そうですね。指導者ってどうしても自分が教わってきたように教える傾向になってしまうと思います。するとこれまでやってきたことだけが正解ということになります。従来のものにこだわり過ぎると、進化する競技の流れについていけなくなりますし、選手にとっても良いことではありません。今回の内容も、あえて他の本やビデオでは紹介されていないようなものを紹介しています。

---とはいえ、他の学校もやらないような難しい練習なのでは?

中津川:どうしても難しいんじゃないかという先入観を持ってしまうんですよね。東北高校の選手だからできることじゃないかと思われるのがもったいない。確かにフォローなどのプレーは難しい面もありますが、練習しているのとそうでないのとでは大きな差があります。これまではセンス任せにされていた部分ですから、特に中学生くらいまでの選手たちにとっては、少しでも早い段階で取り組んでほしい要素だと思います。

---では、実際に指導をされるうえでのポイントなどがあれば教えていただけますか。

中津川:まずはポイントをしっかり明示することですね。ラケットの位置であったり、足の使い方であったり、ポジショニングであったり。各パターンのなかでも大切な部分を集中して行うことが第一歩でしょう。あとは前回のインタビューでも言いましたが、運動能力を高めるような、感覚練習をきちんとやることです。

---では、小学生や中学生に教える際に留意することはありますでしょうか。

中津川:繰り返しになりますが、まだ早いと決めつけないこと。実際にやってみるとこの年代でも必要だということに気がつくはずです。それと、あまり細かいフォームなどにこだわりすぎないことが大事です。当然基本はありますが、個性をつぶすようなことがあってはいけません。ゲームのなかで型を見つける、ボールの感覚を身につけてからフォームが出来上がるというような感じでいいのではないでしょうか。

---その他、育成年代に求めることなどがあればお願いします。

中津川:そうですね・・・最近の子はジュニアがしっかりとしてきたおかげで、とても質の高いプレーをします。先ほど言っていた戦術の進化も、ここに起因するのだと思います。相対的にみれば、競技レベルは一昔前よりも格段に上がっています。
その反面、ちょっと過保護な部分も見られるようになっています。食事にしても送り迎えにしても、なんでも大人がやってくれるから自分で考えて自分で決めることができないんです。これは当然プレーにも影響します。判断の連続が伴う競技ですから。

---なるほど、だからこそ普段の生活が大切なんですね。

中津川:それと、野性的な子供が減ったような気もします。これは遊びとか環境の問題があるのでしょうけど、運動能力とも関係がある部分です。だからこそ、感覚練習が必要になってくるのかとも感じています。

---先生のお話を伺うと、いろいろなことがつながっているのですね。今日はありがとうございました!

中津川:はい、ありがとうございました。


<中津川先生の指導エッセンスが満載。新作DVDのご紹介>

DVD「細かく1点をとる!!こだわりの練習パターン
東北高校にみるソフトテニス勝負の分岐点~」
発売元:ジャパンライム株式会社
  • 中津川式実戦シリーズ最終章!!「1点にこだわる!」練習法!
  • 試合展開を左右するプレーに特化した画期的練習パターン
  • 実戦から導きだした意図的な練習で強化する!
  • 女子選手が陥りがちなプレーを再確認!

▼サンプル動画
  


DVD発売元:ジャパンライム株式会社
発売元:ジャパンライム株式会社 (このサンプル動画はジャパンライム株式会社が提供しています)


softtennis_online (1)
(ジャパンライムのDVD販売サイトにリンクします)



<関連記事>
(1/2)なぜ東北高校は生徒の”センス”を伸ばせるのか~中津川監督・独占インタビュー
http://st-on.blog.jp/archives/52230633.html


ソフトテニス・オンライン」