成功したベンチワーク
今回は、成功したベンチワークをご紹介します。
こちらも三重の講習会で共感を得られたと感じたのでご紹介します。
東京選抜の一番手ペアーはあっさりと敗戦して追い込まれました。
二番手のペアーは、清明学園中学校の後衛、そして他校の前衛でした。
それもG2-3でチェンジサイズ。
清明学園の後衛の選手は、勝ち気で本校では珍しく勝負強く、生まれながらにしての闘争心あふれるファイターでした。彼が粘ってG2-3までもっていってました。前衛はというと、全く機能せず動けば失点ということでした。
3Gとられた内容も前衛のミスが多かったのです。私は、後衛だけでファイナルまでもっていける。と踏みました。そしてファイナルも彼一人で戦えると踏んだ私は、前衛の生徒にサービスレシーブだけ集中してほしかったのです。
しかし、他校の生徒でもあり、強い信頼感もなく大一番で「 止まっていなさい 」という話をしても彼が「 信用されていない 」と感じてセルフイメージが小さくなりサービスレシーブまでもできなくなったらという思いから、お互いへの会話をする時間をわけることにしました。G2-3で帰ってくる時点でベンチに居る残りの6人に
「 後衛から先に話をしたいから前衛の生徒と話して! 」
と言いました。
そして、後衛の生徒に、
「 よくやった。粘ったな。こちらの前衛では点がとれないし今後も期待できない。どう思う?ここから前衛の生徒をサービスレシーブだけに集中させる。すべて一人で我慢をして点をとりにいけるか? 」
という話をしました。彼の目は輝きました。待ってましたとばかりに息があがります。自分が認められているという嬉しさ、そして具体的に攻めるポイントを確認しました。彼のテンションは、マックスです。
「 よくやった。粘ったな。こちらの前衛では点がとれないし今後も期待できない。どう思う?ここから前衛の生徒をサービスレシーブだけに集中させる。すべて一人で我慢をして点をとりにいけるか? 」
という話をしました。彼の目は輝きました。待ってましたとばかりに息があがります。自分が認められているという嬉しさ、そして具体的に攻めるポイントを確認しました。彼のテンションは、マックスです。
そして自分のせいでやられていると感じている前衛の生徒には、励まさなければいけません。自信を回復させなければいけません。
「 ミスをしても勇気をもってよくいったな。サービスレシーブのみに集中していくぞ。ファイナルにもっていけるから、あとはマッチポイントのみ動こう。これでいこうと思う?どうだ? 」
ミスをしても勇気をもって勝負しているところを認めたうえでの作戦です。彼も攻めたことを認められた安堵感、自分がすべきサービス・レシーブに集中しようという表情になったと感じられました。
ただ正直なところ、相手後衛に対して彼が得点をとれることはないと踏んでいました。
ただ単に
「 止まっていなさい 」ではますますセルフイメージが小さくなり、サービスレシーブも崩れてしまう。また頑張ってきた後衛には、「 お前ががんばったからここまで競れている。でも最後までやりきらないと勝てない。一人でもいきなさい。君ならできる。 」ということを伝えたかってのです。
結果は、ファイナル7-4で勝ちました。
指示をしたマッチポイントの勝負、完全にはまり、ポーチにいきましたが、残念ながら白帯にあたり失点となってしまいました。そこは、すべて綺麗にはいきませんでしたが・・・。
もう一つは、相手監督のアドバイスを見るということです。
例えば、G3-0リードで帰ってきます。このゲームカウントは非常に怖い。中学生は、ひとつのプレーで大きく変わります。なによりも先日紹介したように気持ち的に守りに入ってしまう。
そして、相手は大きく作戦を変えてくることがあります。
相手後衛のミスでゲームが進んできたとして、相手監督はどちらの生徒に多くの時間を費やすかです。
仮に相手前衛に多くの時間を割いていれば、前衛がなにかしら仕掛けをしてくることが予想されます。逆に相手後衛に多くの時間を割いていれば、後衛を我慢させようと策を講じてくることが予想されます。これを取り入れてから何度も救われました。
しかし、最近は、選手が円陣を組んでしまい話をしているところを見ることができないことが多いので、難しくなりました・・・。(笑)
いろいろな時間の使い方をご紹介しました。また機会があれば全国で活躍しているチームの60秒の使い方をご紹介したいと思います。
次回は、4月に向けて初心者新入生をどのように迎えるかを私なりの考えをご紹介させてもらいます。
また次回お会いしましょう!
●参考情報:
清明学園・高橋先生に関する記事:
●ソフオン編集長が高橋茂先生の指導方法の根幹に迫るインタビュー
[ 高橋 茂 監督 プロフィール ]
全日本アンダー17男子コーチ
[ 清明学園中学 近年の戦績 ]
第2回国際ジュニア大会 男子シングルス優勝
過去5年間では全国出場3回、都道府県対抗10年連続出場、東京都大会・個人の優勝は10回以上