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公認審判員への道

こんにちは。
ソフオンブロガーの荒川です。

今回は、審判に関するお話です。

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昨年の秋から選手復帰に向けて着々と準備を進めているわけですが、そんな私がどうしても超えなければならない壁があります。


日本ソフトテニス連盟(以下、日連)および、各都道府県支部が主催する公認大会では、共通の参加資格があります。


一つは、日連への会員登録です。

社会人の試合といえば、市民大会や各種オープン大会など、誰でもエントリーが可能な試合もあります。

ところが、クラブ戦や、全国大会、東日本、関東などの上位大会に続いていくような連盟公認の試合に出場するためには、あらかじめ選手として連盟に登録しておくことが必要となります。

日連への会員登録は、所属するクラブや団体を通じて行います。


以前ブログにも書きましたが、今年から正式に所沢テニスクラブの一員として活動させていただくことになりましたので、会員登録は無事にそちらで済ませていただきました。

過去記事:所沢TC忘年会


そして、残るもう一つの壁が、公認審判員資格です。

公認大会に出場するためには、前述の選手登録とあわせて、2級審判員の資格を保有している必要があります。

私も昔は持っていたのですが、だいぶ前に期限を過ぎて失効してしまいました。


というわけで、初心に返って、審判員講習から出直しです。


2級審判員検定会・研修会は、各都道府県連盟が実施しており、埼玉県の場合だと今年度は県内10カ所の会場で開催されています。



私は所沢市の会場で受講しました。

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「検定会・研修会」という名の通り、朝から講習を受けて、その後筆記試験、午後の実技と続きます。

講習に参加すると、ソフトテニスプレイヤーのバイブルともいうべき、ソフトテニスハンドブックがもらえます。

ここに競技規則や、審判規則などが細かく記載されています。

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「ルールくらい、普段ソフトテニスやってるから知ってるよ」などと侮ってはいけません。


たとえば、インプレー中に正審がアウトのコールをしたが、あとでボールの痕跡を確認したら実際にはインだった場合。

判定はそのままインに覆るのか?

それともノーカウントでやり直し?

こういうケースは実際の試合でもよくあることです。


では、気になるルールはどうなっているかというと。。。


競技規則 第36条(ノーカウント)

インプレーにおいて、次の場合はノーカウントとし、第1サービスからやり直すものとする。

(中略)

(1)アンパイヤーが判定を誤ったためにプレーに支障が生じた場合。



これを見ると、ノーカウントのような気もします。

しかし、ちょっと待って!


そのあとの解説を読むと・・・。


[解説15]

1.第1号はプレイヤーが実質的に返球できる状態であった場合であり、アンパイヤーの判定の如何にかかわらずポイントが決定する状況にあった場合は、判定の訂正のみを行う。その状態の判定は正審が行う。


とあります。

つまり、同じミスジャッジでも、選手がアウトのコールを聞いて打つのをやめたり、打ち損じたりした場合と、そもそもきれいにサイドパスを抜かれて、いずれにせよ取れなかった場合では、対応が違うということですね。


うーん。

奥が深いです。


また、多くの方が悩むのがイエローカードの扱い方ではないでしょうか?

私が昔、選手として競技していた頃には、このイエローカードはまだなかったと記憶していますので、私も実際に使ったことはありません。


審判規則 第20条(警告)

正審はプレイヤー(団体戦の場合は部長、監督、コーチを含む)が明らかに競技規則第15条、第38条又は第40条に違反していると認める場合は、競技規則第41条に従い警告(イエローカード)を与える。なお、警告はカードを提示して行う。


ふむふむ。

ここで言う第15条、第38条には、それぞれマナーを守ってプレーすることや、大会で認められていない部外者がコートに立ち入ったり助言する行為について書かれています。


私の感覚では、一番起こりやすいのは第40条の「異議申立て」のような気がします。


競技規則 第40条(異議の申立て等の禁止)

プレイヤーはプレーの進行及び判定に関し、アンパイヤーに対して異議を申し立て、又は結果を不服として故意にプレーを中断してはならない。

2 前項の規定は、プレイヤーがアンパイヤーに対して質問をすることを妨げるものではない。ただし、質問に対する結果については、前項の規定を適用する。



ここ大事です!

大丈夫ですか? ついてきていますか?


例えばよくある事例を挙げると、インやアウトの判定に対して、一度は審判に質問することが認められています。



プレイヤー:「え、今のアウトじゃないですか?」

(↑ここまでは「質問」なのでOK)


正審:「いえ、インです」

(↑質問に対する返答)


プレイヤー:「いやいや、どう見てもアウトですって。よく見てくださいよ!」


はい、ここでイエローカードです!

二度目以降は、異議申立てとされますので、ルール違反行為となります。


審判も人間ですので、当然ミスジャッジは起こりえます。

しかし、審判は絶対なのです。

あやふやな回答をしたり、相手チームの監督の圧力に屈したりしてはいけません。

毅然とした態度でジャッジしましょう。

審判がインと言えばイン、アウトと言えばアウトです。


とくに中学生の試合などでは、相互審判や敗者審判において曖昧なジャッジがもとで喧嘩が勃発することもあるでしょう。

そうならずにお互いが正々堂々と気持ち良く試合ができるように、参加するプレイヤー、アンパイヤー全員が正しいルールを理解していることが大切です。


ちなみに1試合でイエローカードが3枚累積すると、失格となります。

ちなみに、3枚目(レッドカード)は、その試合のアンパイヤー(正審・副審)ではなく、大会主催者側のレフェリーまたは競技責任者がその審査を下すことになっています。

ムカつく相手に審判の権力を振りかざして、闇雲にイエローカードを連発し、失格に追い込むのも、もちろんいけません。

スポーツマンたるもの、常にフェアプレー精神を忘れずに。


うーん。

それにしても、改めてルールを勉強すると、細かなことも含めて、あぁそうだったのかと思うことが多いです。


プレー中に、隣のコートからボールが転がってきたときはどうするのか?

ファーストサーブを打ったあとにサイドを間違えていたことに気づいた場合、どこからやり直すのか?

コートの外からの応援や野次がうるさくて、プレーに支障がある場合は、審判が警告できるのか?

などなど。

突き詰めて考えると、この場合はどうするんだ??という疑問が次から次に出てきます。


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講習では、そういった間違えやすいポイントや、判断に迷いそうな点を中心に解説を聞いて勉強します。


この記事を読んで気になった方は、お手元のハンドブックを読み返すか、日連のサイトにも詳しい解説がありますので、ぜひ一度見てみてください。

動画による解説ムービーもあります。


日本ソフトテニス連盟 > 審判・技術等級 > 審判



午前中の講習を終えると、そのまま筆記試験があります。

ちゃんと聞いたことを覚えているか、理解度が試されます。


この歳になってテストとか受けると、無条件に緊張してしまいます。

よーし、首席(*2)で合格するぞ!

(*2)首席とかありません。



お昼休みを挟んで、午後はテニスコートで実技です。

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副審の正しい構え、姿勢もみんなで練習します。

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フォォーーーーゥルツ!!


実際の試合形式に合わせて、正審、副審の動きも学びます。

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ここでは、プレーヤー役の方々が、わざとサーブを打つときにボールを2個落としたり、フットフォールトしてみたり。

判定に抗議したり、足がつってタイムを要求したり、迫真の演技が繰り広げられます。

そこでも、アンパイヤーは毅然とした態度で、常に冷静、的確なジャッジが要求されます。


フット、フォォーーーーゥルツ!!



そんなこんなで、審判員の検定会・研修会は無事に終了し、見事2級審判員の資格に合格(*1)しました!

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(*1)真面目に受講されている方であれば、基本的に不合格はありません。



これで、今年度の公認大会への参加資格は満たしました!

エントリーへの次なる壁は、試合で組んでくれるペアを探すことです(切実)。





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